データポリシー : データマネジメント用語解説1
「データポリシーとは、データとインフォメーションを生成し、取得し、健全性を保ち、セキュリティを守り、品質を維持し、利用するといったさまざまな活動を、統制する基本的なルールと、それらに共通する原則と管理意図を盛り込んだ指示文書である。」(DMBOK2「第3章データガバナンス」より抜粋要約)
組織にデータマネジメントを導入するためには、その考え方や方針を表明する文書を作り、組織内に公開する必要があります。この際の文書を「データポリシー」と呼びます。
ポリシーとはもともと政策や方針を意味する言葉です。組織に浸透しているポリシーには、情報セキュリティポリシーやプライバシーポリシーなどがあります。データポリシーも、これらと同じ役割のものと考えて差し支えありません。
冒頭でもご紹介した通り、データポリシーは「原則・管理意図」と「基本ルール」で構成されます。「原則・管理意図」とは組織としてのありたい姿を表し、「プリンシプル」とも呼ばれます。また「基本ルール」とは遵守すべき行為や判断基準を表し、これをもとに「標準(スタンダード)」や「運用手続き(プロシージャ)」へと具体化されます。
原則・管理意図(例)
Ex.欲しいデータを欲しいタイミングで利用できる環境をつくる
Ex.地域や事業に偏らず全社的視点で統制されたデータを生み出す
Ex.経営が正しい意思決定するために常に正しいデータを提供する
基本ルール(例)
Ex.複数領域で利用されるデータは必ずデータ統合基盤に連携する
Ex.顧客、品目マスタは全社視点で標準化されたものを利用する
Ex.経営に影響を及ぼすデータは定期的に監視し品質を維持する
データポリシーがあれば、常にそこに立ち戻り組織的に正しい判断ができます。データポリシーがないと、さまざまな判断を属人的に行ってしまい、組織として恒常的なデータマネジメント運営ができなくなります。
またデータポリシーを周知徹底すれば、社員のデータマネジメントリテラシーの向上にもつながります。一人一人の意識が変われば、日常的に行われるデータ入力作業やデータ設計・開発作業の精度も向上し、プリンシプルで描いたようなデータ環境を実現することが可能になります。データマネジメントを全社に浸透させるためにもデータポリシーの策定は欠かせません。