データマネジメント教育の普及と仲間づくり
データマネジメント教育の受講が増えている
ここ数年で、私たちがご提供している教育コース(データマネジメント・アカデミー)を定期的な社内研修として採用いただくケースがとても増えてきました。データマネジメント部門の人財育成やベンダー企業内のスキルアップはもとより、最近の傾向としては、特に業務部門のデータマネジメント理解を深めるためや、業務部門が自らデータマネジメントを企画・推進することを目的に教育を受講されることが増えてきています。
Metafindコンサルティングを立ち上げて8年目になります。データマネジメントが企業内に浸透し、根付くことを目指して活動を続けてきましたが、正直、ここまで広がるとは思いませんでした。世の中のDX推進の取り組みを後押しに、データマネジメントの必要性が認識され、その時点でデータマネジメントを学ぶための本としてDMBOK2(データマネジメント知識体系ガイド第2版)が存在していたことも、普及に一役買っていたように感じます。
当初は主にデータ環境を整備するための設計・開発が主流でした。これは、DXつまりデータ利活用を推進するためには必然の流れだったのでしょう。しかし、これからはデータを生成し、データを利用する業務部門への浸透を目指さなくてはなりません。データマネジメントはデータマネジメントの専門組織(データマネジメント部門やIT部門、DX推進部門)だけが理解していればよい話ではなく、組織全体が理解し、それぞれの役割を果たして初めてその目標が達成できるのです。
例えば、データマネジメントの中でも、IT部門ではアーキテクチャの設計やデータモデリングを行うことが中心となります。一方で、業務部門では、メタデータ管理やデータ品質管理、さらにはマスタデータの標準コード決めや登録運用プロセス最適化などに取り組むことが求められます。こちらがまさに私たちが提唱している「ビジネスデータスチュワード」の役割になります。
そして、どちらの部門も共通して理解しなければならないなのは、「データ戦略」です。データ統合基盤構築やデータHUB導入、マスタデータ管理などは、大きなコストが掛かります。それらを実施する目標が明確でなければ宝の持ち腐れになってしまいます。データを利活用して何を成し遂げたいのか、その目標を明確にし、それらを達成するために限られたリソース配分を計画する「データ戦略」を策定し、部門を超えて共通認識を持って、優先順位を付けてデータマネジメントに取り組むことが、ますます重要になってきます。
データ戦略の立案からデータマネジメント、データガバナンスの知識と実践方法を理解するためにも、データマネジメント教育は欠かせません。企業の定期的な教育プログラムとして定着していくことを期待したいです。
データマネジメント仲間をつくりましょう!
教育は普及してきましたが、データマネジメントに携わる人財は増えたでしょうか?
こちらは正直まだまだ足りないと思います。少々ジェンダーに偏った発言なのでお許しいただきたいですが、日本ではデータマネジメント分野で活躍する女性の数は、少ないように感じます。しかし、実は、海外では多くの女性がこの分野で成果を上げています。例えば、データ品質管理のオーソリティであるDanette McGilvray氏(著書「データ品質プロジェクト実践ガイド質の高いデータと信頼できる情報を得るための10ステップ」)や、データ戦略のコンサルタントであるMarilu Lopez氏(弊社ブログ「海外データマネジメント専門家から学ぶData Strategy(データ戦略)」)はその代表例です。先日、日本に来られたDavid Plotkin氏(著書「データスチュワードシップデータマネジメント&ガバナンスの実践ガイド」)は、データガバナンスなどの対立しがちな場面において、丁寧にコミュニケーションを取りながら円滑に進めるスキルや、コツコツとデータにまつわる課題に粘り強く取り組む姿勢がこの分野で成果を上げるには重要なこともあり、活躍している女性は非常に多いとおっしゃっていました。彼からは、「あなたも長く続けて頑張りなさい」とエールをいただきました。
私自身、データマネジメントに取り組む女性の仲間が増えてほしいですし、いつか「データマネジメント女子部」のようなコミュニティを作り、悩みを共有しながら励まし合える場を提供できればと考えております。(ご興味がある方お声がけください!)
もちろん、女性男性問わず、データマネジメントは効果が直ぐに現れにくいため、社内の理解がなかなか得られず、思ったように推進できないため孤独を感じている方も多いと思います。それ故に、悩みを共有できる仲間を作ることは重要です。
Metafindコンサルティングは、データマネジメントへの理解や人財を増やしていくためにも、全力で皆様をご支援していきます。困難に直面することもあるかもしれませんが、私たちはその課題解決のパートナーとして寄り添い、サポートを続けていきます。是非一緒にデータマネジメントの未来を切り拓いていきましょう!
おまけ
Udemyで開講している以下の講座が、この度、Udemy Businessコレクションに追加されました!Udemyをご契約されている企業様のアカウントでも受講可能になりましたので、まだ視聴されていない方はこの機会に是非ご覧になっていただけると幸いです。
講座名:【ITの知識がなくても分かる!】データガバナンス入門~攻めのための守りとは~!