データ資産評価 とは : データガバナンス用語解説8

Megan RexazinによるPixabayからの画像 

データは、人・モノ・金に次ぐ第4の資産と言われるようになってきています。では、このデータ資産をどのように評価すると良いでしょうか?
DMBOK2「第3章データガバナンス」には、
“データ資産評価とは組織におけるデータの経済的価値を理解し測定するプロセスである。“と書かれています。
ただし、“データは抽象的な概念であるため、他の経済的な影響と同じように考えることは難しい。”とも。

“データは他の資産と異なり、代替可能なものではない。”
“データの価値を理解する鍵は、その利用方法と利用によってもたらされる価値を把握することにある。”とのことなので、DMBOKの説明を意訳しつつ顧客データを例に考えてみましょう。

顧客データには顧客自身のデータだけではなく、購買履歴や嗜好などの顧客に関連するデータが含まれます。この顧客に関するデータが充実しており、また、このデータを分析し次の購買行動につながるような有効な施策(商品リコメンドやポイント付与など)など、“データを利用する方法”を持っているだけでもBtoC企業においては他社との競争上の差別化要因になります。そして、有効な施策を打つことによって、新たな購買が行われ、売上が上がることが“利用によってもたらされる価値”になります。
しかし、個人顧客と取引をしないBtoBビジネスの企業にとっては、BtoC企業ほどの価値はありません。つまり、“データは他の資産と異なり代替可能なものではない”ということになりますね。
また、データは価値を生むだけではなく、コストもかかります。DMBOKにも以下のように書かれています。
“データライフサイクルのフェーズ(データ取得、格納、管理、廃棄)ではコストが発生する。”
“データは利用された時のみ価値をもたらすが、データが利用されるとリスク管理に関連するコストも発生する。”
“よって、データを利用することの経済的利益がデータの取得と保管のコストや使用に関するリスク管理のコストを上回る場合に、価値がもたらされる。”
データを利用して価値を得ていかないと、大変なことになりそうですね。

では、その価値の測定はどのように考えるのか。その方法については、以下が紹介されています。

・修復コスト:災害やデータ侵害で失われたデータの書き換えや回復コスト。

・市場価値:合併や買収時の事業資産としてのデータ価値。

・既知の好機:データで特定された好機を生かすことから得られる収益の価値。データを取引に利用することやデータ販売することにより得られる。

・データの販売:データを商品としてパッケージ化したり、得られた知見を販売したりする。

・リスク対応コスト:法的リスクや規制上のリスクから導かれる潜在的な罰金、修復コスト、訴訟費用に基づく評価。

直接的な価値を測定しやすいデータの販売などは、今後考えられるビジネスではあるもののまだ一般的ではありません。また、自社の中でデータを利用した際に得られる利益を測定するといっても、まだ大きな価値が出るほどではない、というのも現状でしょう。一番測定しやすいのは、不十分な情報によって生じる業務上の損失額を見積もるところからではないでしょうか。業務上必要なデータの欠落、品質の劣化を埋めるためのコストは、逆に、そのデータの価値であるとも言えます。データ資産価値を見積もることにより、データ品質管理やデータガバナンスへの投資対効果を正当化することが可能になります。
弊社の過去のブログでも「データマネジメント効果の定量化」(https://metafind.jp/2020/06/22/quantification-of-
data-management-effectiveness/
)について紹介していますので、参考にしていただければと存じます。

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