データガバナンス用語解説特別編:  エンタープライズデータワールド(EDW)とは?

【エンタープライズデータワールドとは?】

エンタープライズデータワールド(以降EDW)とは、DAMAインターナショナル(https://www.dama.org/cpages/home)が主催する世界最大級のデータに関するイベントです。

このイベントは毎年春に、アメリカで開催されています。著名な講演者によるマスタデータ管理やメタデータ管理といったデータマネジメントに関するチュートリアルや、教育が行われます。他にも、AIや機械学習、ブロックチェーン技術など先進的な事例について一流の業界専門家が6日間にわたって講演します。
また、海外の方だけでなく、日本人のスピーカーも登壇します。例えば今年の場合DAMA日本支部(データマネジメント協会)会長である林幹高氏が、3年連続での登壇となります。

【EDW2022開催概要】

・日程
今年はパンデミックによる影響から、EDW Digitalとして2022年4月19-20日の2日間のみで、オンライン開催となりました。詳細なスケジュールや、登録方法は、EDWホームページで随時更新されているので、是非チェックしてみてください。
https://edw2022digital.dataversity.net/

・費用
通常EDWには参加費用が掛かります。ただし、今年に関しては2日間のEDW Digitalに変更されたため、なんと全ての講演を無料で視聴することができます。ちなみに、通常時の費用感をご参考までにご紹介します。
・フルイベント $ 3,395.00
現地のすべての講演に参加可能+ビデオパッケージ※
・ビデオパッケージ※のみ $ 1,095.00
※約40時間分の録画されたプレゼンテーション動画

【昨年度の感想】

続いて、EDWのイメージをもう少し持ってもらうため、昨年私が参加したEDW2021の感想をご紹介します。昨年もコロナ禍のためオンライン開催でした。アメリカとの時差の関係もあるため、幾つかの講演に絞って参加しています。多くの講演がライブ配信をしており、講演中自由に質問やコメントを講演者に投稿することが可能です。さらに、講演者が寄せられた質問やコメントに対し、直接回答をしてくれるため、非常にフレンドリーでわかりやすい印象でした。
例えば、Dannet McGlivary氏の「Ten Steps to Quality Data」について。こちらは、Dannet氏が昨年出版した著書「ExecutingData Quality Projects Ten Steps To Quality Data & TrustedInformation Second Edition」の内容をベースとしたかなり教育的な講演でした。

【今年おすすめの講演】

次に、今年の講演の中でおすすめのもの2つご紹介します。
まず、John Ladley氏の「Practical Interactions of Data Strategy and Governance」です。John Ladley氏は、データマネジメントやインフォメーションマネジメント及びデータガバナンスに関する世界的権威の一人です。本講演では、まずデータ戦略とデータガバナンスの関係性について。そしてデータを最大限活用するために、両者をどのように利用するべきかについて解説します。データガバナンスをどう推進すれば良いかわからないといった
悩みを持つ方には非常に参考になるように思います。
次に、林幹高氏の「Case Study: Digital Transformation Journey Through Shu-Ha-Ri」です。林幹高氏は冒頭でもご紹介した、DAMA日本支部の会長です。40年近くの間、様々な業界のプロジェクトマネジメントやインフォメーションマネジメントに携わっています。本講演では、データとデータマネジメントがなぜDX推進に必要なのか?について、日本武術の概念である「守・破・離」を通して紹介します。日本の概念も解説に取り入れているので、よりわかりやすくデータマネジメントの重要性について学ぶことができると思います。

【最後に】

データマネジメントやデータガバナンスのトレンドは、欧米が先行しています。そのため、自社が抱えるデータマネジメント課題に対する解決策等を探すには、EDWのような海外の事例を多く紹介するイベントで学ぶというのも有効な手だと思います。
また今年のEDWはオンライン開催なだけでなく、完全無料で受講できるため、この機会に是非参加してみてはいかがでしょうか?