データスチュワード とは : データガバナンス用語解説13

mohamed HassanによるPixabayからの画像

既にご存じの方も多いキーワードですが、DMBOKでは データスチュワード についてどのように定義しているのかを改めて紹介します。

そもそも「スチュワード」とは何か?

DMBOKでは‘他人の財産を管理する人’のことを指します。よく、私共もお財布とその中のお金の持ち主(=データオーナ)とお財布の中身が3000円であると説明できる人(=データスチュワード)に例えてご説明しています。

‘データスチュワードは、他者を代表して組織にとって最善の利益のためにデータ資産を管理する’とされています。そして、データスチュワードが行うアクティビティは以下と定義されています。

  • 核となるメタデータの作成と管理
  • ルールと標準の文書化
  • データ品質の問題管理
  • データガバナンス運営アクティビティ(ガバナンスポリシーと取り組みが守られるようにするための活動)の実施

業務やビジネスルールに詳しく、業務要件を踏まえた際にデータがどう管理されるべきなのか判断できる方じゃないと、このようなアクティビティは実行できません。

では、そのような方はどこにいるのでしょうか?

DMBOK1stでは、「最高のデータスチュワードは発見されるものであって、作られるものではない」と述べられていました。まるでデータスチュワードが自然に生み出されているかのように聞こえますね。しかし、DMBOK2ndの中でDavid Plotkin氏は、次のように述べています。‘これは、正式なデータ・ガバナンス・プログラムがなくても、スチュワードシップを発揮できる人がいるということである。このような個人は組織がデータ関連のリスクを削減し、そのデータからより多くの価値を引き出すことに既にかかわっている。彼らの任務を正式なものとすれば、彼らが仕事を認知でき、彼らがより成功し、より多く貢献することになる。このことは、データスチュワードは「育成」できることを物語る’つまり、既に行われている仕事を定義し、その仕事に必要なスキルと知識を形式知化することで、人財育成は可能である、と言いたいのだと。このスキルや知識というのは、既存業務やビジネスルールそのものや、それらをデータ要件として整理するスキル(データモデリングやデータ定義など)などを指しているのではないかと考えます。
これらが習得できていれば、メタデータ管理、データ品質管理、データガバナンスなどの統制活動はこなせますね。

データスチュワード の種類

ここで話は脱線しますが、David Plotkin氏は、データスチュワードシップに関する書籍を執筆されています。(An Actionable Guide to Effective Data Management and Data Governance)この中で、データスチュワードをいくつかの種類に分けて定義しています。一部DMBOK2ndと同じものもありますが、異なっているものもあります。こちらで簡単にご紹介します。

  • ビジネスデータスチュワード
    特定の業務領域において、組織内のデータの品質、利用、意味に責任を持つ主要な代表者である。
  • テクニカルデータスチュワード
    アプリケーション、データストア、ETLプロセスの仕組みに関する知識を持つIT担当者。
  • プロジェクトデータスチュワード
    プロジェクトにおいてデータスチュワードシップを実施する担当者。ビジネスデータスチュワードが全てのプロジェクトに携わることができないため、ビジネスデータスチュワードからのインプットを受けて、プロジェクトに持ち帰り検討する役割を担う。プロジェクトでデータの問題が発生した場合や新しいデータを管理する際は、ビジネスデータスチュワードへ報告を行う。
  • オペレーショナルデータスチュワード
    ビジネスデータスチュワードをサポートする役割を持つ。ビジネスデータを操作する担当者であり、データ品質の低下などの問題が発生に気が付いた際には素早く、ビジネスデータスチュワードへ報告を行う。

ここまで役割を分ける必要性があるのか?とも思われますが、逆に、データスチュワードとして担うべき活動が沢山あるため、論理的に役割を分け複数の人たちで分担して責任を果たすことができるように考えたのだとも言えます。個人的には、業務領域の専門家としてのデータスチュワード、プロジェクト中であればその範囲において責任を持つデータスチュワード、実際にデータの操作するデータスチュワードぐらいの役割で分けるのが良いと考えます。

弊社では、データスチュワードに必要なスキルを習得するための教育コースをいくつかご提供しております。ご興味のある方は、HPのデータマネジメント教育コースのご案内をご参照ください。(https://metafind.jp/education/)社内でデータスチュワードを育成する際にご活用いただければ幸いです。

※‘(引用文)’は、DMBOK2nd第3章データガバナンス 1.3.5データスチュワードの種類より引用。

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