データガバナンス用語解説11:データアーキテクチャ

データアーキテクチャはデータ資産の都市計画作り

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DMBOKではデータアーキテクチャを次のように定義しています。“データアーキテクチャとは企業のデータニーズを明確にし、マスターとなる青写真を設計し維持する活動である”
“企業はその青写真を使いビジネス戦略に合わせデータ資産をコントロールする”
(DMBOK2「第4章 データアーキテクチャ」より抜粋要約)

「マスターとなる青写真」とあるように、データアーキテクチャはデータマネジメント全体の計画作りにあたる活動です。
私はデータアーキテクチャの活動をよく「都市計画作り」に例えて説明します。工場や住宅地をどのエリアに設置するか。電気や水道などのライフラインをどう整備するか。都市計画が適切であれば、その青写真に沿って快適な都市が形成されます。データアーキテクチャも同様、自社のデータ資産を有効に活用するために、どのデータをどこに、どのような形で設置し整備していくかプランニングします。

データアーキテクチャを描く上での3つの観点

データアーキテクチャの活動では、データモデルやデータフローを用いてあるべき姿を設計します。これらを設計する過程では、次の3つの観点でデータの最適化を検討していきます。

「データ配置の最適化」

データを全社共通と業務個別に分類し、全社共通に分類したデータの重複配置を見直します。このなかで、例えばデータを登録・更新するシステム自体の統廃合や、MDMやDWHなどのデータ統合基盤の構築を考えます。

「データ構造の最適化」

経営や事業の方向性を見据え、ビジネスの変化に柔軟に対応できるデータ構造を検討します。ここでは、個別業務に特化して縦割りで設計されていたデータの構造を標準化したり、将来的な業務要件の変更が生じた際にも対応できるよう拡張性のあるデータ構造を適用します。

「データ連携の最適化」

システム間のデータの取得経路の整流化や、受け渡しする際に使用するデータフォーマットの標準化を検討します。場合によっては、データHUB(共通データ連携基盤)を設置し、標準化されたデータを軸にデータ変換の一元化を図ります。

データアーキテクチャを取り組む上での留意点

「エンタープライズアーキテクチャの枠組みの中で実施すること」

DMBOKでは次のように記載しています。
”データアーキテクチャはビジネス、システム、テクニカルアーキテクチャと同じ文脈で機能し、開発の方向性と要件を共同で検討する。”
(DMBOK2「第3章データアーキテクチャ」より抜粋要約)
データアーキテクチャも最終的な目的はビジネス改善のはずです。データ領域だけの単独の取組みとせず、他領域のアーキテクチャと協調しながら行うことを心掛けましょう。

「システム刷新に向けたロードマップとして整備すること」

データアーキテクチャで整備した青写真をマスターとして、新システムへの刷新に向けたロードマップを描きます。
とはいえ、エンタープライズレベルのシステム刷新は、長期に渡る非常に大掛かりな取り組みとなるため、一度に着手することは困難です。例えば、DXの推進に関わる取組みの優先度を上げ、マスタデータの統合や分析・利活用系システムの刷新などから取り組む。業務系システムはホストリプレースのタイミングに合わせ、データの整合性を保ちつつ、段階的に移行していく計画を検討します。

「データアーキテクチャを浸透させるためのスキームを作ること」

データアーキテクチャを浸透させるためには、データガバナンスのスキームが欠かせません。新システムへの刷新は数年規模の長期な取組みになりますし、複数プロジェクトが同時並行で稼働します。各プロジェクトがデータアーキテクチャを遵守して開発するには、成果物をレビュし、ルールを逸脱するプロジェクトがあれば指摘し是正させるプロセスや体制が必要になります。

最後に

DXによる業務革新が世の中の脚光を浴びる中、自社のデータ資産の管理が不十分なことに気付き、途方に暮れている企業も多いように思います。この機会にデータアーキテクチャの整備に取り組んでみてはいかがでしょうか?