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データスチュワードシップ

データスチュワードシップとは

「データスチュワードシップ」がもたらすデータの世界
データスチュワードシップの中核である「ビジネスデータスチュワード」
データガバナンスを成功させるための組織構成
データスチュワードシップの未来へ – 日本企業に新たな風を

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データスチュワードシップとは

「データスチュワードシップ」がもたらすデータの世界

現代の企業にとって、データから得る洞察を業務改善や経営判断、新たなビジネス創出に活用することは不可欠です。そのためには、データは適切に「マネジメント」されていなければなりません。
もし、データが適切にマネジメントされていないと、以下のような問題が起きてしまいます。


データの重複や品質の低下が起こり、優れたデータから洞察が得られず信頼できない。
低品質データによる洞察を基に誤った経営判断が下される。
データ漏洩やプライバシー侵害により罰則を受ける。
データ仕様が曖昧なため、データが誤解され、誤用される。

では、データを適切にマネジメントするにはどうすればよいでしょうか?

✔データガバナンスの重要性

データガバナンスは、データを資産として適切に管理するには欠かせません。
企業内でデータを取り扱うためのポリシー、プロセス、プロシージャ(手順)を定め、それらに基づいてデータガバナンスを実施することで、データの適切な資産管理が実現します。しかし、これだけでは不十分です。
データガバナンスを確実に行うためには、データに関する明確な意思決定者が必要です。IT担当者が代わりに実施するケースが多いですが、本来は専門外のため、遅延や低品質な結果、失敗のリスクなどが高まります。

✔誰がデータの意思決定を行うのか?

本来、データを所有し使用するビジネスの代表者、つまり部門長がその役割を担うべきです。しかし、ビジネスの代表者はデータのマネジメントに専念できないため、専門の担当者を指名し、その役割を代行させることが重要です。この担当者が「データスチュワード」です。そして、データの責任を確実に担わせるために必要な人材、組織、プロセスで構成されるのが「データスチュワードシップ」です。

✔データスチュワードシップの効果

データスチュワードシップを通じて、全てのメタデータ(定義、ビジネスルールなど)が収集され、文書化されます。さらに、データに責任を負うスチュワードを配置し、データの意思決定をする際にはスチュワードに相談する手順を設けます。
これにより、データに関わるすべての意思決定が、共有された知識に基づき、すべてのデータ利活用者の最善の利益のために行われるようになります。すなわち、データ資産の品質が向上し、ビジネスの競争優位性および規制遵守の推進にデータを活用できるようになります。
「データスチュワードシップ」がなければ、データガバナンスは単なる善意の枠組みに過ぎず、実現することはありません。

データスチュワードシップの中核である「ビジネスデータスチュワード」

データスチュワードシップを実行する中心メンバーは、「データスチュワード」です。実は、データスチュワードには、役割毎に様々なタイプが定義されています。その中でも、中核となる「ビジネスデータスチュワード」についてご紹介します。「ビジネスデータスチュワード」は、ビジネス部門の代表として次のような責任を担いながら活動します。

✔「ビジネスデータスチュワード」の主な責任

担当領域のデータに対してガバナンスを実行する責任を負う。
利害関係者と協力し、データに関する問題を提言する。
提言した問題に関する決定事項をビジネスユーザーに伝達し、理解してもらう。
他領域のビジネスデータスチュワードとも協働し、競合する問題があれば、解決のマネジメントも行う。
各データがどんな意味を持っているか、どんなビジネスルールに基づいているかを把握し、その内容をビジネスユーザーが理解できるようにする。

✔「ビジネスデータスチュワード」の主な活動内容

主な活動内容について説明します。

メタデータ管理における活動
 ビジネスデータスチュワードが取り組むことの多くはメタデータに関することである。高品質なメタデータを作成するために、メタデータ品質の評価軸を設定し、メタデータ(用語集やメタデータリポジトリなど)のプロファイリングおよびその修正を行う。

データ品質の改善における活動
データ品質ルールの規定、データ品質ルールに基づくデータのプロファイリングと改善サポート、重要なデータ品質ルールの強制などを行う。

マスタデータマネジメントにおける活動
重複したマスタデータのレコードを名寄せし、統合の判断を下すという、重要な意思決定を担う。そのため、識別属性(レコードを一意に識別する項目)の特定、統合対象レコードの発見と統合可否の判断、統合対象レコードの属性値の標準化、ゴールデンレコードとして保持する属性の決定などを行う。

リファレンスデータマネジメントにおける、リファレンスデータの維持管理

情報セキュリティにおける、機微データの特定や機密区分の設定

プライバシー規制における、付随するメタデータの追加取得

など

データガバナンスを成功させるための組織構成

データスチュワードシップの導入だけでは、データガバナンスは成功しません。データに関する提言や意思決定を行うために、人々がどのように協力し合うかに掛かっています。つまり、人こそが方程式の最も重要な要素です。そのためには、データガバナンス参加者の役割と責任を理解し企業全体に浸透させるだけでなく、必要な組織をつくり、人材を配置することが不可欠です。
以下にご紹介するのは、あるべき姿の組織構成です。スチュワードシップを実行するには、経営に近いメンバーが、資金面も含めて全面的にサポートし、組織の文化変革も推進していくことが重要です。

出典: 「データスチュワードシップ」P30より

組織/役職名 概要
実行運営委員会 ・組織変更の権限を持つ、上級管理者で構成される ・文化変革の推進を行う
・データガバナンスプログラムを全社的にサポートする ・データガバナンスプログラムに資金を提供する
データガバナンス委員会 ・データを所有するビジネス機能の高位の代表者(部門長など)で構成される
・データスチュワードシップ評議会のメンバーを任命する
・データスチュワードシップ評議会での決定事項を承認する
データスチュワードシップ評議会 ・ビジネスデータスチュワードにより構成される
・全社レベルのデータ標準、基本原則、ポリシーに関する諮問機関となる
・データガバナンスのビジョンと目的を組織全体に伝達する
・データの使用に関するルールを伝える
・データガバナンスのパフォーマンスと有効性を評価する
・定義やデータ問題において、他の関係者と協力する
データガバナンスプログラム・オフィス ・データガバナンスマネージャーとその人物に任命されたメンバーで構成される
・他ガバナンス組織(データスチュワードシップ評議会など)の活動をサポートし、文書化し、公開する
データガバナンスマネージャー ・データガバナンスの取り組みの統括を行い、データガバナンスプログラムの責任者となる
・組織横断でリーダーと協力し、ビジネスニーズを特定し、データガバナンスとデータスチュワードシップの遂行能力を高める
・データガバナンスとデータスチュワードシップのプロセスが、適切に企業に組み込まれることを保証する
エンタープライズデータスチュワード ・データスチュワードシップ評議会のリーダーとなる
・データスチュワードシップ評議会を通じて、コミュニティーのリードやデータガバナンスマネージャーに報告を行う

データスチュワードシップの未来へ – 日本企業に新たな風を

海外では「データスチュワード」という役割が定着し、誇りを持って職務を遂行しています。
しかし、日本ではまだその役割さえも認知度が低いのが現状です。データから得る洞察を活用し、ビジネスを飛躍させるためには、データを適切にマネジメントすることが企業の生命線です。
そのデータの価値を理解し、適切に管理できるのはビジネス部門に他なりません。今こそ、ビジネス部門が積極的にデータガバナンスに関わり、本来実施すべき役割を果たすべき時です。
そして、企業の経営層は、この重要性を理解し、新たな職務を設け、適切な報酬を支払うことが求められます。

Metafindコンサルティングは、この変革を推進するエバンジェリストとして、データスチュワードシップの重要性を訴え続けていきます。データを制する者が未来を制する――その未来をともに築いていきましょう。

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書籍のご紹介

本書は、日本初のデータスチュワードシップをテーマにした書籍である。
データスチュワードシップとは、データの把握、効率的な利用、環境整備、長期維持を行う活動を指すものである。世界ではデータマネジメントと
スチュワードシップが浸透しているが、日本ではまだ関心が低い状況であった。しかし、ビッグデータやAIの時代に入り、データの量や質が多様化し、ビジネスへの直接的な貢献が求められるようになってきた。
本書では、これらのニーズに応えるためのデータスチュワードシップの導入と実践方法を、著者David Plotkin氏の豊富な経験と共に紹介している。

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データスチュワードシップを導入する際に必要となる教育コースとコンサルティングサービスをご紹介します。

サービスメニュー 概要 教育コース支援事例
データスチュワードシップ概説コース データスチュワードシップとは何か、役割や責任、組織体制、導入の仕方など基本的な概念について解説。 近日公開予定
メタデータ管理コース データスチュワードシップの中心的活動であるメタデータ管理について、基本的な概念、検討ステップ、成果物、成功の秘訣などを学ぶ。 メタデータ管理コース
データ品質管理コース データ品質管理の基本的な概念、検討ステップ、成果物、成功の秘訣などを学ぶ。 データ品質管理コース
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