CDMP取得に向けた勉強方法
前回のブログ『2週間で合格!CDMP合格体験記』では、CDMP Associateを取得するまでの過ごし方をご紹介しました。
今回はその経験を活かして、CDMPの受験科目の1つであるData Management Fundamentalsの合格に向けた勉強方法を整理しました。
※CDMPの公式サイトはこちら(https://cdmp.info/)
~CDMP取得に向けた勉強方法 3つのポイント~
- Practice Exam(模擬試験)を解く
- DMBOKの理解を深める
- 英語を勉強する
1. Practice Exam(模擬試験)を解く
まずは敵を知るために、Practice Examを解きましょう。どのような問題が出題されるのか、どのように回答すればよいのかなど、試験の傾向を掴むことができます。これにより、その後の勉強方針が立てやすくなります。筆者も力試しをしたことにより多くの気づきを得ることができました。(詳しくは前回のブログをご覧ください)
ちなみに、Data Management Fundamentalsの本試験($311)にはPractice Examも含まれていますので、確実に本試験の受験をする方はPractice Exam単品を購入する必要はありません。一方で、CDMPの受験を迷っている方は、Practice Exam($40)を購入してから、本試験を受けるかどうか判断しても良いと思います。
2. DMBOKの理解を深める
まずは、データマネジメントの理解度を上げるために、母国語で書かれている日本語版DMBOK2から読むことをお薦めします。データマネジメント分野に精通している方や、DMBOKの内容がほぼ頭に入っている方は、このステップを飛ばしても良いかもしれません。
次に、英語版DMBOK2を読みましょう。試験の出題文や回答文に使われている文章や言い回しを理解するためにはこのステップを飛ばすことはできません。一般的に使用言語が異なると思考方法も異なると言われており、英文の設問に対して日本語で理解している知識を活用することは困難です。筆者が1回目の本試験で不合格となったのは、このステップを飛ばしてしまったことが大きな要因だと感じています。
①DMBOKは全ページ読むべきか?
いいえ、読むページは取捨選択をしましょう。前回のブログでも紹介しましたが、Data Management Fundamentalsの場合、DMBOKの知識体系のうち、上位6分野(※)が試験範囲の64%を占めています。(※データガバナンス、データモデリングとデザイン、データ品質、メタデータ管理、参照データとマスターデータ、データウェアハウジングとビジネスインテリジェンス)
ですので、この6分野の問題を全て正解できれば、CDMP Associateの合格基準である60%をクリアできます。英語版DMBOK2全558ページの内、この6分野の合計ページ数は216ページなので、約39%を読むだけです。しかしこの6分野で全問正解を狙うのもなかなか難しいです。6分野以外の各章の「1.イントロダクション」だけでも目を通しておくと、要点を把握することができます。
②どこまで詳細に読むべきか?
データマネジメントの肝となる箇所や、各章のテーマとなるキーワードは絶対に押さえておきましょう。例えば、データガバナンスの章に登場する「データスチュワード」は数ページに渡って説明されていますので、重要なキーワードになります。ここをしっかり読んでおくと、下記のような設問に対応できます。
- Which of these are NOT true of Data Steward?
- 訳:データスチュワードについて、これらのうち当てはまらないものはどれか?
- Which statement best describes the relationship between Data Owner and Business Data Steward?
- 訳:データオーナーとビジネスデータスチュワードの関係を最も適切に記述しているのはどれか?
また、メタデータの章であれば、メタデータの種類について解説があります。それらを理解していれば、下記のような設問に対応できます。
- Operational Metadata differs from Technical one in the following way:
- 訳:オペレーショナルメタデータは、テクニカルメタデータと以下の点で異なる
- Metadata is often categorized into three types. They are…
- 訳:メタデータは多くの場合、以下の 3 種類に分類される。それらは・・・
CDMP Associateで必要な正答率60%を大幅に上回りたいのであれば、細かい事例紹介やデータマネジメントと関わりが薄いトピックでも用語や概要は頭に入れておいた方が良いでしょう。私が受験した問題のなかには、略語の正式名称を尋ねる問題(Ex. ACIDの略は?)やネットワークセキュリティに関する問題(Ex. ファイアウォールの役割は?)も数問ありました。
(CDMP Associateの上位レベルであるCDMP Practitionerでは正答率70%、CDMP Masterでは正答率80%を超えることが合格条件の1つです)
3. 英語を勉強する
CDMPはデータマネジメントの試験でありながら、英文読解の試験とも言えます。データマネジメントに関する知識があっても、肝心の設問が読めなければ意味がありません。ここで英語対策について簡単に紹介します。
まず、英語上級者、つまり英文を読むことに抵抗が無い方は、英語版DMBOK2を読みながら内容を理解しつつ、知らない英単語を覚えていけば問題ないでしょう。一方で、英語に苦手意識がある方は、まず文法と構文の基礎を固めることからスタートしてはいかがでしょうか。中学英語が復習できる本を1冊購入して復習してみると、10代の頃は理解できなかったが、大人になった今なら簡単に理解できる、ということが多々あります。文法と構文の学習を終えたら、英語版DMBOK2の読解に挑戦してみましょう。この際、主語と動詞を正しく捉えて、その一文で何か言いたいのか、を念頭に置きながら読むと理解度が増します。
英語上級者にせよ初心者にせよ、最後の決め手は単語です。単語を知らずして英文を読むことはできません。CDMP対策における最良の単語勉強法は、英語版DMBOK2を読みながら、単語のストックを増やしていくことです。朝と夜の時間を利用して、コツコツと積み重ねていきましょう。
※翻訳ツールの使用については、前回のブログ『2週間で合格!CDMP合格体験記』 翻訳ツールの使用についてをご覧ください。
最後に
以上の3つのポイントを読まれて、なかなか近道はないように感じられたかもしれません。ただ、筆者はこの業界に入ってまだ日が浅いですが、CDMPの取得を目指すことによって、効率的かつ効果的にデータマネジメントの学習ができ、基本的な知識を身につけることができました。
CDMPは世界で通用するデータマネジメントの資格であり、DMBOKの網羅的な知識とデータマネジメントに関わる業務経験を保有していることを証明できるものです。(ちなみに、試験に合格すると、「合格証明書」と「合格バッチ」がもらえます。「合格バッチ」はデジタルバッチになっているので、web上の履歴書やSNSのプロフィールにリンクを埋め込むことができます。)
グローバルでデータマネジメントに関わる人には、キャリア形成の上でもおすすめの試験ですので、是非受験してみてください。