データマネジメント活動のセルフアセスメント

私自身、データマネジメント のコンサルティングに携わるようになって15年以上経ちますが、ここ2~3年で急速に、データマネジメントに取り組む企業が増えたように感じます。これは、データ利活用により企業の業績向上や新規ビジネス展開などを模索している中で、データが適切に管理出来ていなければ思うような結果が得られないと認識され始めたからではないでしょうか。

また、データマネジメントの必要性を理解し計画をしてみたものの、思うように取り組めていないのではないか、目的を達成するためには他にも何か必要なのではないか、と悩まれている方も出てきているようです。

このような時は、これまでの活動を振り返るために、一度セルフアセスメントをしてみるというのはいかがでしょうか。

 

成熟度モデルは難易度が高い

データマネジメントのアセスメントとしては、CMMI-DMM(Capability Maturity Model Integration Institute データマネジメント成熟度モデル:DMM早わかり下段のURL参照)やDCAM(Data Management Capability Assessment Model:エンタープライズ・データマネジメント評議会のデータマネジメント能力評価モデル)などの成熟度モデルのフレームワークを用いて行う方法がDMBOK2.0では解説されています。ただし、成熟度を測るには適した方法ではあるものの、少し敷居が高いように感じます。

というのも、評価観点を理解し、評価を実施するにはかなりの工数が掛かりますし、評価観点が細かいことから、ほとんどの企業が5段階の1から2に位置づいてしまい、課題を浮き彫りにすることが難しいからです。

そこで、まずは簡易的なセルフアセスメントとして次のように評価してみることをご提案します。

セルフチェック用リストを作る

例えば、データ利活用のための代表的なデータマネジメント活動は、次の内容になります。

 ・データアーキテクチャ
 ・リファレンス&マスタデータマネジメント
 ・メタデータ
 ・データセキュリティ
 ・DWH&BI
 ・データクオリティ
 ・データガバナンス

DMBOK2.0ではナレッジエリアごとのコンテキスト図にアクティビティや成果物が記載されていますので、それらを書き出してチェックリストにします。とは言え、DMBOK2.0に書かれている呼び名が、自社にそのまま当てはまるわけではないので、あくまでもこれはひな形として使います。

例えばデータアーキテクチャでは、アクティビティとして「エンタープライズデータアーキテクチャの確立」、成果物には「データアーキテクチャデザイン」と書かれています。データ利活用というコンテキストであれば、データ統合基盤やソースシステム、BIを対象としたアーキテクチャデザインを考え、それを青写真として構築していること、と解釈すると良いでしょう。またデータセキュリティは、成果物に「データプライバシー・ポリシー」「データセキュリティのアクセス制御」などが定義されています。

これらは、社内に情報セキュリティ規定があり、それらに準拠してデータアクセスの運用ルールが設定されていると考えると評価しやすくなります。

アセスメントの観点

次に、作成したチェックリストをどのような観点でアセスメントすると良いのかについて説明します。

<活動毎の実施状況>
 ・データマネジメント活動自体に取り組まれているのか。

<活動毎のデータガバナンスについて>
こちらは、活動を維持するためのデータガバナンスの枠組みと
その実施状況についての評価です。

 ・成果物を作成するためのルールは定義されているのか
 ・ルールが守られていることをチェックする体制はあるのか
 ・関係者にルールは周知されているのか
 ・ルールを守るように運用されているのか
 ・成果物の品質は保たれているのか

DMMIは、ルールや体制、運用フローといったプロセスの存在と関係者への周知や利用状況を評価基準とし、それらが満たされていれば組織としてのケイパビリティがあるとしています。枠組みの存在はもちろん重要ですが、ここではルールが守られていることを確認するために成果物自体の品質も評価対象として追加しています。データガバナンスは、ルールが守られず形骸化してしまうことがあるからです。

アセスメントをしてみる

これらの評価観点をデータマネジメント活動毎に、「出来ている」「取り組もうとしている」「何もやっていない」ぐらいの3段階で評価してみると、現在の取り組み状況の凸凹感が見えてきます。また、全社レベル、業務領域単位、特定のプロジェクト単位でアセスメントを実施して対比してみると、より特徴が見えてくるかもしれません。この結果を踏まえて、3~5年後のデータマネジメントおよびデータガバナンスの目指す姿(ゴール)を設定し、改めて何から取り組むか、ロードマップを検討すると良いでしょう。アセスメントは、定期的に行うとよいでしょう。

例えば、今までデータ利活用の推進がデータマネジメント活動の目的だったものが、システム再構築が中心テーマになっているかもしれません。

このように、経営や事業方針などの変化も踏まえながら、データマネジメント活動として改善すべきことや重点的に取り組むべきことなどを見直します。そうすることにより、結果として組織のデータマネジメント・ケイパビリティが向上していくのではないでしょうか。

※DMM早わかり
https://cmmiinstitute.com/getattachment/e6728303-378e-472c-82fe-77371e66b6f9/attachment.aspx

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