データマネジメント用語解説5 サブジェクトエリア

サブジェクトエリア(subject area)とは何か?

DMBOK2には明確な用語の解説は記載されていませんが、「第3章データガバナンス」のサブジェクトエリアの位置付けから、意味を紐解くことができますので、それらをご紹介します。
まず、要約すると、サブジェクトエリアについては、次のように述べられています。
・日本語では「対象領域」あるいは「業務対象領域」と表現される。
・データガバナンスを実施する基本単位である。
・同単位でデータスチュワード、SME(※1)らが任命される。

※1 Subject Matter Expert。対象領域の専門家を指す。

つまり、サブジェクトエリアとは、組織の単位に表される「業務領域」と捉えると分かりやすいのではないでしょうか。ただし、企業内の物理的な組織とは、必ずしも一致しないケースがあるので少し注意が必要です。

サブジェクトエリアの設定単位

サブジェクトエリアごとにデータガバナンス組織を構成するデータスチュワードやデータオーナーが任命されるので、必然的に各々が担当を受け持つ範囲が決定されます。
以下、サブジェクトエリアの設定単位について例を示します。
サブジェクトエリアの設定単位例:

単一事業の場合)
・販売領域や生産領域といった、個別の業務に閉じた領域
・SCMのように、複数の業務を横断して管理される領域

複数事業の場合)
・A事業の生産領域、B事業の生産領域といった事業個別の領域
・共同購買や物流といった、複数事業に共通する領域
・会計領域や人事領域など、事業を横断して全社で管理する領域

例では単一事業の場合と複数事業の場合を挙げてみましたが、両者ともまずは購買や販売、生産、会計といった基本的な業務で領域を設定しています。では、事業を跨いで同じ業務が複数存在する場合には、どのように設定すれば良いのでしょうか。
製品ごとに事業が分かれている企業であれば、製品の製造工程、使用する材料や設備、品質管理の方法などが異なると想定されます。このような場合には、同じ生産領域でも事業ごとに別のサブジェクトエリアを設定します。逆に複数の拠点で生産していたとしても、製造工程や品質管理方法などが標準化されているケースもあります。この場合、生産領域は1つと設定します。
このように、事業や拠点が異なる場合でも、同じやり方で業務が遂行されているかを見極めることが重要です。

まとめ

業務の標準化はサブジェクトエリアの単位で検討します。業務の標準化を実現するには、その業務で扱われるデータも同様に標準化しなければなりません。これにはデータガバナンスの実施が不可欠です。よって、データの標準化を実現するためのデータガバナンスも同様の単位で実施する、というのが適切なアプローチと言えるのではないでしょうか。