データマネジメント知識体系ガイド 第二版 改定新版

データマネジメント知識体系ガイド 
第二版 改定新版

本書の概要

本書は、海外でデータマネジメントの専門家に広く知られた総合的な知識体系書であり、DAMA日本支部とMetafindコンサルティングが翻訳に携わりました。データから価値を生み出す方法を様々な角度から解説し、国際的に著名なデータマネジメントのプロフェッショナル達の知見が全17章に渡って凝縮されています。データのデザインからオペレーション、セキュリティと品質、メタデータやマスターデータの管理、データガバナンスに至るまで、必要な知識を網羅しています。

第一版の日本語版は2011年に発売され、2018年の第二版では全ての章が一から書き直されました。時代の要請に応じた「データ取扱倫理」「データ統合と相互運用性」「ビッグデータとデータサイエンス」、組織に焦点を当てた「データマネジメント成熟度アセスメント」「データマネジメント組織と役割期待」「データマネジメントと組織の変革」など、6つの新章が追加され、内容は第一版の1.5倍以上に拡充されました。

第二版改定新版では、各章の軽微な修正、第13章データ品質の構成変更、記述の追記が行われ、さらに英語版の誤りも修正された最新の内容となっています。

目次と概要

第1章 データマネジメント
データマネジメントの原則について概説します。その原則に従うにつれ生じる課題と対処するアプローチ方法も提案しています。データマネジメントの各知識領域でデータマネジメント・プロフェッショナルが実行すべきことの全容が収められている、DAMAデータマネジメント・フレームワークについても説明します。
第2章 データ取扱倫理
倫理原則に従いながら、どのようにデータを生成し、保管し、管理し、解釈し、分析・活用し、廃棄するのかと、それを実行するコミュニティの責任について説明します。
第3章 データガバナンス
データ資産の管理を職務権限を通して統制し、意思決定を共有する(計画を立て、実行を監視し、徹底させる)ことについて説明します。
第4章 データアーキテクチャ
企業の(組織構造に関係なく)データニーズを明確にし、ニーズに合うマスターとなる青写真についてと、それを設計し、維持するための活動について説明します。また、マスターとなる青写真を使ってデータ統合を手引きし、データ資産をコントロールし、ビジネス戦略に合わせてデータへの投資を行うことについても言及しています。
第5章 データモデリングとデザイン
データ要件を洗い出し、分析し、取扱スコープを決めるプロセスと、データ要件を記述し伝えるために、明確に定義されたデータモデルと呼ばれる様式についてを説明します。
第6章 データストレージとオペレーション
データの価値を最大化するために、永続化されるデータを設計し、実装し、サポートすることについて説明します。
第7章 データセキュリティ
文化的および法規制的な考慮をしながら、データと情報資産に対して適切な認証と権限付与を行い、アクセスを制御・監査をするための、セキュリティポリシーや手順の立案、開発、実行について説明します。
第8章 データ統合と相互運用性
データストア、アプリケーション、組織の内部および相互間におけるデータの移動と統合と、様々なシステムが情報を連携する能力についてを説明します。
第9章 ドキュメントとコンテンツ管理
主にリレーショナルデータベースでは保存されていないデータとインフォメーションの取得、保存、アクセス、利用の統制について説明します。
第10章 参照データとマスターデータ
様々な業務領域、業務プロセス、ITシステムにまたがって使われるべきデータについてを説明します。また、このようなデータを、全社的なニーズをサポートするため、スチュワードシップ制と意味上の一貫性を通じて、相互に参照され、統合されるよう管理することについても説明します。
第11章 データウェアハウジングとビジネスインテリジェンス
レポート作成や、クエリ発行、分析に携わるナレッジワーカーを支援するため、統合されたデータシステムの計画の立案、実行、管理についてを説明します。
第12章 メタデータ管理
他のデータを処理し、維持し、統合し、保護し、監査し、統治するための能力のもとになるアクティビティについてを説明します。
第13章 データ品質
データを収集し扱うための技法を適用し、企業や地域のデータ利用者の、ニーズや利用に適したデータとすることを保証する活動についてを説明します。
第14章 ビッグデータとデータサイエンス
大量のデータ(ビッグデータ)を取り扱い、様々な種類のデータをパラダイムや統計的に分析(データサイエンス)し、答えや洞察を見つけることについてを説明します。
第15章 データマネジメント成熟度アセスメント
組織内で利用されるデータの取り扱いについて成熟度に照らし合わせてランク付けする方法についてを説明します。また、このランク付けにより明らかになる、データマネジメントの現状と改善の機会についても言及します。
第16章 データマネジメント組織と役割期待
データマネジメント組織やデータガバナンス組織を企画する際に考慮すべき一連の原則について説明します。
第17章 データマネジメントと組織の変革
データマネジメント業務を成功させるために必要なチェンジマネジメントについて、変革はどうして失敗するのか、効果的な変革には何が必要なのか、変革の障害となるのは何なのか、人々はどのように変革を体験するのかという観点で説明します。

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