日本語版DMBOK2を読む

データマネジメント知識体系ガイド 第二版DAMA日本支部とMetafindコンサルティング株式会社監訳、「データマネジメント知識体系ガイド第二版(DMBOK2)」日本語版が日経BP社より出版された。

データマネジメント知識体系ガイド 第二版
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/books/18/00010/112600201/

全672ページに渡る長編で翻訳作業は困難を極めたが、約半年の歳月を経て無事出版に漕ぎつけることが出来た。この間ご関係の皆様より多大なるご支援があったことを、この場を借りて深く感謝申し上げたい。

さて本文だが、既に当ブログでも何度か取り上げてきたが改めて振り返ってみたい。

第1章 データマネジメント
第2章 データ取扱倫理
第3章 データガバナンス
第4章 データアーキテクチャ
第5章 データモデリングとデザイン
第6章 データストレージとオペレーション
第7章 データセキュリティ
第8章 データ統合と相互運用性
第9章 ドキュメントとコンテンツ管理
第10章 参照データとマスターデータ
第11章 データウェアハウジングとビジネスインテリジェンス
第12章 メタデータ管理
第13章 データ品質
第14章 ビッグデータとデータサイエンス
第15章 データマネジメント成熟度アセスメント
第16章 データマネジメント組織と役割期待
第17章 データマネジメントと組織の変革

※前述の日経BP社のサイト上で、より詳細な目次をご覧いただけます。
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/books/18/00010/112600201/mokuji.pdf

初版(2009年出版)と比べ、情報プライバシーへの意識の高まりやビッグデータの登場などを背景に、「データ取扱倫理」や「ビッグデータとデータサイエンス」など幾つかの章が新たに加わった。また、各章にデータガバナンス機能の解説が付け加えられるなど、従来から存在する章もより厚みを増している。

このDMBOK2をどこから読めばいいだろうか?冒頭から読み進めてももちろん良いが、なにしろ全672ページの長編である。そこで、ご参考までに第1章に記載されている「DMBOKピラミッド(Peter Aiken)」のある一節を紹介したい。ここには、企業全体のデータ資産を戦略的に活用するまでに、多くの組織がたどる論理的なステップが解説されている。

フェーズ1:
組織はまずデータベース機能を含むアプリケーションを購入する。これがデータモデリングとデザイン、データストレージ、データセキュリティの作業を開始する出発点となる。

フェーズ2:
アプリケーションの使用を開始すると、持っているデータの品質に問題があることに気付く。より高品質のデータを取得するには信頼性の高いメタデータと一貫したデータアーキテクチャが必要となる。

フェーズ3:
データ品質、メタデータ、データアーキテクチャの管理は統制をとるべき実務であり、そのためにはデータマネジメント活動に構造的なサポートを提供するガバナンスが必要となる。データガバナンスによって、ドキュメントとコンテンツ管理、参照データ管理、マスターデータ管理、データウェアハウジング/ビジネスインテリジェンスなどの戦略的な取り組みが実施可能になる。

フェーズ4:
組織は適切に管理されたデータから得られる恩恵を活かし、分析能力を高める。

データマネジメントは組織の成熟度に応じて導入の仕方を考えるものである。
この内容を参考に自社の置かれた状況を照らし合わせ、日頃から課題を感じている章から読み始めてみてはいかがだろうか。

DMBOK2は様々なことを教えてくれる。ただ、必ずしもその全てを導入する必要はない。例えば、顧客収益率の改善が目下の課題なのであれば、マスターデータ管理は収益把握時の集計軸となる顧客や品目マスタの範囲とする。名寄せは売上上位10社の顧客のみで行う。基幹システムへの配信は当面考えないが、将来的にそれを可能にするマスターデータハブを構築しておく。

このように、自社の戦略と照らし合わせて、取り組む施策を取捨選択し、濃淡を付けて導入ステップを検討していくことが、最も重要なポイントと考えている。Metafindコンサルティングでは、データマネジメント教育の戦略策定コースにてガイダンスをしているので、ご活用いただければ幸いである。

METALIB データマネジメント戦略策定コース
https://metafind.jp/service/professional_training/strategy/