スタンダードとプロシージャ : データマネジメント用語解説2

DMBOKでは、スタンダード(標準)とプロシージャー(手続き)は『 データガバナンス を「どのように」行うかを説明する』ものとしています。

一般的に、標準とは「何かが極めて優良で他のものの品質を評価する際に利用されるもの」もしくは「数量、重量、範囲、価値、品質の測定に適用される規則として認定され定着したもの」と定義されています。標準を採用することによって、それを利用するプロセスから得られた結果は一貫したものになるため、プロジェクトごとに同じ意思決定をする必要が無くなります。

データマネジメント の世界のデータ標準とは、
フィールドの入力方法についての規約、
フィールド間の関係性を統制するルール、
許容可能な値や許容できない値についての詳細なドキュメントや書式など、
になります。

では、手続きとはどのようなものでしょうか。
DMBOKには『データマネジメント手続きは確かな成果や支援成果物を生み出す、具体的なアクティビティを達成するために文書化された方法、技術、手順である』と書かれています(DMBOK2「第3章データガバナンス」より抜粋要約)。
どのようなドキュメントなのかイメージしづらいですが、標準を適用するための細かい作業工程や、その中でどのような方法や技術を適用して検討していくと良いのか、という具体的な内容を記載したものではないでしょうか。

DMBOKでは、知識領域毎に次のような具体例を標準と手続きとして紹介しています。
データアーキテクチャエンタープライズ・データモデル、システム命名規則 等
データモデリングとデザイン:データモデリング命名規則、標準ドメイン、標準略語 等
参照データとマスターデータ:該当データのエントリーシステム、重複解決の基準 等
データ品質:データ品質規則、測定方法基準、データ修復規定と手続き 等

新たにデータガバナンスに取り組みはじめた企業のなかには、全社での標準や手続きがないまま、部門やプロジェクト毎にデータガバナンスに取り組まれているところがあります。これでは、部門やプロジェクト毎に標準や手続きのようなものが出来上がり、同じような判断を各々行うことになってしまいます。
何を全社の標準や手続きとして定義すればよいのか悩まれているのであれば、社内のベストプラクティスのなかから標準のルールを定義し、そのときの作業工程や適用した技術や方法を手続きとして共有するところからはじめると良いでしょう。